2008年5月9日金曜日

リーダーシップをとるためのトレーニング

人と犬とが楽しく暮らすためには、「飼い主は頼も
しいリーダー」だと認識させ、安心して人に従えるよ
うにすることが大切です。そこで、まず「リーダーウ
ォーク」「ホールドスチール」「タッチング」の三つのト
レーニングをマスターしよう。トレーニングは、最初は
ごほうびを利用するオペラント技法を使います。特に
トイプードルは飼い主の表情を察知する能力が優れ
ているので、やさしくほめながらしつけるようにしまし
ょう。これらのトレーニングは、飼い主だけではなく、
家族全員で行って下さい。子犬を飼い始めたら、な
るべく早く始めましょう。また、成犬でも、わがままに
なってきたり、攻撃的になったときにはこうしたトレー
ニングを行うといいでしょう。

リーダーウォーク
人がリーダーシップをとるためのもっとも基本的なトレ
ーニング。飼い主が犬に引っ張られながら歩く姿をよ
く見かけますが、それは犬をリーダー扱いしているの
と同じこと。犬が飼い主に寄り添って歩く(リーダーウ
ォーク)という姿を当たり前のようにしたいものです。
まずは家の中で練習してみましょう。

「リーダーウォーク」の訓練
① リードをたるませて持ち、犬を左側にして歩き出す。
② 犬が前に出ようとしたら、「アトヘ」と言いながら、
リードをひざのほうに引き寄せる。戻ってきたら必
ずほめること。
ポイント
・ 犬と目を合わさず、黙ってさっそうと歩く。
・ リーダーウォークしているときは、リードは張らない
ように。
・ 人が止まると犬も止まるようなればOK。
・ 指示の言葉は「ヒール」でも「ツイテ」でもよい。

ホールドスチールとタッチング
犬は敏感な体の末端部分を触られることは苦手です。
しかし耳やつめなどの日ごろの手入れや病院で診察
や治療をスムーズに行うために、人にどこを触られて
も平気なようにしつけておく必要があります。
また、どこを触っても平気にすることは、飼い主への
信頼感を育てます。このしつけに最適なのが、「ホー
ルドスチール」と「タッチング」です。

ホールドスチール
① 膝の間に犬を座らせ、両手でゆっくりと抱き寄せる。
いやがってもしっかり抱きしめる。
② その体勢のまま、片手で犬のマズル(口吻部分)
を持ち、ゆっくりと上下左右に向かせる。できたら
よくほめる。
ポイント
 ・叱らずに、黙ってゆったりと落ち着いて行うこと。
 ・途中でやめないこと。

タッチング
① ホールドスチールの体勢から犬の前足を持ってゆ
  っくりと「フセ」の体勢にする。いやがっても抱きし
  めて制止させてからもう一度。
② フセの体勢から横向きや仰向けにさせ、体をやさ
  しくゆっくりとなでる。特に足先、耳、鼻、尻尾など
  末端部分を丁寧に。
③ 終わり方は再びフセの体勢にして、ゆっくりとホー
  ルドスチールの体勢に戻し、ほめる。
ポイント
 ・触る部位ごとに、タッチングができたらほめる。
 ・暴れても叱らず、抱きしめて、落ち着かせてから
  また行うこと。

「スワレ」「フセ」「マテ」「コイ」の訓練
スワレ
① 左手にリード、右手にえさを持ち、犬と向かい合う。
② 手の中のえさを見せ、犬の頭上に近づけると自然
  に座る姿勢に。座りかける瞬間に「スワレ」と声を
  かける。
ポイント
 ・「スワレ」を何度も言わない、犬のお尻を無理やり
  押さないこと。
フセ
① 犬を座らせ、手の中のえさを見せる。
② その手を地面につくまで下げ、犬がふせの状態に
  なったら「フセ」と声をかける。
③ できたらほめて、えさを与える。
ポイント
 ・できないときは、犬の前に片足を出してトンネルを
  作り、鼻先で手の中のえさを追わせながら足の下
をくぐらせ、ふせの状態に。
マテ
① 犬を座らせ犬が動こうとする前にえさを与える。
② 座り続けたら犬から1、2歩下がり、犬が動く寸前
に犬に近づき、えさを与える。
③ 犬が待てるようになったら、「マテ」と声をかけ、
手の平を犬の顔の前に出すサインをつける。
ポイント
・ 犬が動いてしまってやり直すときは、もう一度元
の位置に戻ってからはじめる。
・ 「マテ」が最初は1秒でもできれば、ほめてえさを
与える。このトレーニングをくり返し練習する。
・ 待っていればいいことがあると理解させる。
コイ
① 向かい合ってスワレ、マテをさせる。
② えさを見せ、「コイ」と呼びながら2、3歩犬から離
れる。
③ 犬がついてきたら座らせ、ほめてえさを与える。
徐々に距離をのばして行く。
ポイント
・ できないときは、犬を知らない場所に連れて行き、
飼い主だけが頼りという状態で行う。
・ 完全にできるようになるまでリードを離さないこと。

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